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ビーズその昔

ビーズ細工の歴史

ビーズ細工の歴史は、ガラスの「シード」ビーズの歴史より古い。英語名が示ているとおり、最古のビ−ズのいくつかは植物の種子(シード)で作っていたわけで、管引きガラスビーズのことを「シード」ビーズと名づけたのは、ビーズのサイズが種子のように小さい(砂粒くらいのものもある)からでです。ヨーロッパ諸語のほとんどは、ビーズにあたる語にたいし「パール(pearl)」が語源の、PerlePerla PerlaPerolaPareltjeParlstavなどという語を用いている。これもまた、ガラス以前のビーズの起源を示唆しています。小粒のガラスビーズの製造や交易が一般化する前は、石、貝殻、固い種子の殻、粘土(クレー)、彩陶(ファイアンス)などの小型ビーズや、小粒の(「シード」)パール、貴石など、需要が高い交易品が古代の世界で取り引きされていました。それらは、そのまま装飾的要素として用いるだけではなく、糸に通して大きな作品にしたり、織物に縫いつけたり、既存の装飾形態に混ぜたりまさに初期のビーズ細工でした。イスラ工ルの石器時代の遺跡では、こうした貝殻や種子ビーズを縫いつけた作品が発見されています。また、ペルーのチム文化(AD10001470)の遺跡では、こまかく加工した貝殻とマラカイト石を組みこんだビーズ細工がみつかっています。アフリカではなおのこと、ひじょうに長い間ビーズは有機物(貝殻、種子、骨)で作っていました。もっとも初期のものとして知られるビーズのなかには、ダチョウの卵の殻を加工したものもあり、紀元前1万年にまでさかのぼります。インドでも紀元前2300年のものとされるダチョウの卵の殻のビ−ズが発見されています。

ビーズを作る

子粒のビ−ズは、簡単に手に入る貝殻にしろ、もっと高価なパールにしろ、準石にしろ、すべての素材にビ−ズにするための穴をあけなければなりません。石器時代初期(7000〜5500BC)には、インダス川の流域で弓錐で穴をあけた石のビ−ズが製作されていました。南太平洋やフィリピンの島々では、おそらく紀元前1000年より以前から、色とりどりの珊瑚や貝殻を使って、帯や腕輪などいろいろな宝飾品のために、複雑な網状のビ−ズ細工がおこなわれていました。粘土の素焼きビ−ズもその島々で製作されていました。ごく初期のガラスのシードビーズは、南インドからこの地域へ伝わったものである。ガラスビーズは他の素材のビ−ズと組み合わせて、儀礼的に交換する贈り物としてふさわしい作品に仕立てられました。素焼きや彩陶ビーズの製法は、ビーズ作りの発達のべつの段階を代表しています。というのは、これらの素材はあとから切断したり穴をあけるのではなく、はじめからビ−ズの形に作るものだからです。とくに、石英の砂に色のついた柚薬をかけて焼いた彩陶、すなわちファイアンスは、本物のガラスに先駆けて、ビーズ玉が比較的安価に量産された最古の例だと考えられています。エジプトやメソポタミアの調査であきらかなように、紀元前4000年頃にはすでにファイアンスビーズが拡大した市場のために大量に製造され、−般人がビ−ズ細工を施したさまざまな小物を個人用に身につけていました。全員ではないにしろ、高価な貴石を手にすることのできないおおぜいの庶民に用いられたのはたしかなようです。古代エジプトの壁画にも色とりどりのファイアンスビーズの飾り襟が描かれています。

ガラスのシードビーズの製造

本物のガラスのシードビーズの製造は、中空の細長いガラスの「ケーン(管)」作ることからはじまります。それを短い節に切断し、切った面をなめらかにしありふれた丸みのあるビ−ズにする。この真正のガラスで作った小さなシ−ドビーズのもっとも古いものは、紀元前200年頃インドのいろいろな地域で製造され、ザンジバル、タンザニアのキルワ、ケニアのキシワナ、マリンディ、東アフリカのラム島などへ、紀元後200年から1600年まで主要な交易ルートにそって輸出されつづけた。紀元後100年ごろにはスマトラヘ、紀元後1000年ごろはマレーシアやヴェトナムヘ到達し、アラブ人や、のちにはポルトガルの商人が買い入れた。ガラスのシードビーズは、1500年間以上にわたり、インドでもっとも重要な交易品のひとつであったといえます。ビ―ズはいつも渇望され、高価であった。中国や韓国の皇族の墓でも発見されている。紀元後100年には熟練した職人が南インドを離れてスリランカ、タイ、ヴェトナム、マレ―シアにも居住し、ビーズ作りの知識をもたらした。南インドのアリカメドゥでは大量のガラスビーズが製造され、管引き法によるビ−ズを12世紀まで作りつづけた。インド大陸では16世紀まで作りつづけた地域もあるが、そのころには、ヴェネチアの工芸職人やヨーロッパの商人がこうしたシードビーズの大量生産や流通を支配するようになりました。

(世界のビーズ文化図鑑より引用しました。)